第一話 推しと猫

10/13

23人が本棚に入れています
本棚に追加
/83ページ
叔父さんのカフェに着くと、そこには 栞里さんの姿があった。 「あっ、栞里さんだ! こんにちは。  また、来てくれたんですね。」 「あ〜!茉莉花ちゃん!  待ってたんだよ。  あのね、実は…今度初めて雑誌に載る事が  決まったの!  まだ、いちページだけなんだけどね、  モデルになって初めての雑誌なの。  良かったら見てね。」 「えっ!凄い!栞里さんが雑誌載るんだ!  どんな雑誌ですか?」 「MOMO RAMOって言うファッション誌  だよ。知ってる?  事務所のモデルさん達と一緒に  ちょっとだけなんだけどね…。 でも、凄く撮影が楽しくてね、  だから、茉莉花ちゃんに見てもらいたくて。  見てくれるかな?」 「MOMO RAMO知ってる!  私、いつも買ってるもん。  前に、BLACK CATも載ってたはず…  あっ、コレコレ!  この雑誌だ!  わぁ〜凄いですね。 おめでとうございます。 絶対、見ますね。」 私は、栞里さんとカフェに置いてあった、雑誌を眺めながら喜んだ。 その、雑誌の表紙はBLACK CATだった。 栞里さんは夢に向かって努力をしている。 私は、夢なんて何もなかった。 ただ、毎日が同じ事の繰り返しで、 つまらない人生を送っていた。 やりたい事も見つからない。 このままでいいのかと、自問自答する毎日だった。
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加