第二話 猫と私

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「ただいまー。」 私達は元気よく、玄関のドアを開いた。 すると、すぐに血相をかえて母が玄関に 向かってきた。 「あんた達!どこ行ってたの?  心配したんだよ。  仕事から帰って来たら、玄関の鍵が  開いてたから…。」 「あっ、急いでたから鍵するの忘れてた。  ごめんなさい…。」 「もう…。気をつけてよ…。  本当に…何かあったのかって、  気が気じゃなかったんだから…。 電話も何回もかけたのに、繋がらないし… お母さんは…。」 母は半泣き状態で、私達を抱きしめて くれた。 私達は、母に今日あった出来事を全て 話した。 母は、それを聞いてかなり驚いていた。 「えっ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!  あんた達、凄いじゃない!  お手柄だわ!  流石、私の可愛い娘達ね!  人の役に立つなんて偉すぎるわ! 良かったわね!  で、生新汰くんはどうだった?  お母さんも会いたかったなぁ!」 「生、新汰!最高だった〜!」 私達はかなり興奮していた。 すっかり、猫の事を忘れて騒いでいた。 すると、黒猫が突然ケージの中で暴れ出した。 「あっ、忘れてた。  猫さん。ごめんね…。 お腹空いてるのかも…。  今、外に出してあげるね。」 私は、ケージの鍵を開けてあげた。 すると猫は勢いよく飛び出して、玄関の方へ 走って行った。 私は慌てて猫を追いかけた。 猫は前足で何度も玄関の扉を叩いて、 外に出たがっていた。 母と妹も走って来て、言った。 「あらあら、暴れん坊の猫さんね。  困ったわね…。」 「そうだよね…。 お姉ちゃんなんて、さっきひっかかれ  てたもんね…。  でも、新汰には懐いてたんだよ。」 「そうなの?  新汰くんは猫飼ってるからかな?  猫には分かるのかもね…。」 私達は傷だらけになりながら、 必死で暴れる猫を捕まえた。 やっとの思いで、捕まえてケージの中に 戻した。 私達は疲れきって、早々とそれぞれの部屋に行って寝る準備をした。 猫は私の部屋に連れて行った。 猫も暴れて疲れたのか、大人しく丸くなって 目を閉じていた。  
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