第二話 猫と私

9/9

23人が本棚に入れています
本棚に追加
/83ページ
『えっ?もしかしてお前… 俺の声聞こえてるのか?』 「えっ、えっ?な、な、な、何?  だ、だ、誰?誰なの?」 『俺だよ、俺!  こっち見ろよ!』 私は、恐る恐る声のする方を見た。 そこには猫のケージがあるだけだった。 「えっ?何?何なの?  怖いんだけど…。 これは、幻聴なの?」 『俺だよ。  この鍵、開けてくれよ。』 猫が私の方を見て、前足でケージをカリカリ とひっかいていた。 私は耳を疑った。 でも、確かに、ケージの中から声が聞こえて きた。 『頼む、聞こえてるなら開けてくれ。』 「えっ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?  ね、ね、ね、猫が、喋った〜〜〜〜!」 なんと、猫が喋りだしたのだ。 私は驚きのあまり尻もちをついて、 コロコロと転がってベットに頭を 打って、しばらく失神してしまった。
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加