第三話 猫の正体

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『俺は、あの日  変な光に撃たれたんだ。  皆既日食の日だ。   空から雷のような眩しい光が  突然降ってきて、気づいたら  その光に包まれいた。  それで、手を怪我したんだ。  気を失って、次に目が覚めたら  こんな姿になってた…。  何で、俺なんだよ…。 何で…。 なぁ、頼む!俺を助けてくれ!  俺は、人間に戻りたいんだ!  どうして俺が、こんな姿になったのか  知りたい。  頼む!協力してくれ!』 猫は必死で私に訴えてきた。 私は、訳が分からなかったけど、 一つだけ分かった事があった。 それは、この猫も私と同じ光を見て いた事だった。 「あの…。  猫さんは… どうしてあの場所にいたの?」 『あの場所は俺の好きな場所なんだ。  子供の時、父さんと一緒にキャッチボール  したり、かくれんぼしたり、して  遊んだ場所だから。 ちょっと、辛い事があった日は  あの場所に行くと落ち着くんだ。』 「そうなんだ…。 素敵だね…。 って、本当に人間だったの?  嘘じゃないの?」 『俺は、嘘なんて言った事ない。  俺は、真剣なんだ…。 頼む、助けてくれよ…。』 猫は本当に、人間だったようだ…。 次から次へと不思議な事が起こり まくっていて、私の頭はパンクしそうに なっていた。
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