第三話 猫の正体

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「あの…。そのペンダントの事だけど… 私の大切な人が落とした物だと思うの。  その、ペンダントの持ち主がどこに  行ったか知らない?」 猫は私の顔をじっと見つめて言った。 『今、目の前にいるだろ?』 私は、その言葉の意味を理解する事が 出来なかった。 「えっ?何が?どこにいるって?」 『だ、か、ら、俺だって言ってんの。』 私は、猫の顔をじっと見つめた。 そして、突然大声を出した。 「えっ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜⁈」 『お前、本当にうるさい奴だな! 今、何時だと思ってんだよ。』 「えっ、だ、だって…猫くんが変な事  言うから…。」 『だから、俺は猫じゃなくて、  廉太郎なんだよ! お前、本当に俺のファンなの?  普通、声で気づくだろ!』 「いや、いや、だって、だって、  そんな事想像も出来る訳ないでしょ?  ってか…ほ、本当に廉太郎?  冗談じゃなくて?  しょ、証拠は?」 猫は、廉太郎の生年月日から、 これまでの生い立ちなど、全てを 話してくれた。 私の知らない事まで、いろいろと 話してくれた。 私は、それを聞いて猫が言っている事が 真実なんだと、理解した。 『これで、分かっただろ?  俺は、廉太郎なんだよ。』
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