第一話 推しと猫

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第一話 推しと猫

「今夜のゲストは、今人気急上昇中の  アイドルグループBLACK CATの  皆さんです。」 「こんばんは〜!  BLACK CATです。  よろしくお願いします。」 歓声と共に、生放送の音楽番組が始まった。 推しの応援の為に、私はテレビの前に釘付けに なっていた。 手には推しのぬいぐるみと団扇を持っている。 私にとって、推しはかけがえのない存在だ。 推しのためなら、何でも出来る。 それが、私の生きる意味になっていた。 「キャー!廉太郎!最高! 今日も素敵!かっこいい!」 「ちょっと!お姉ちゃん!うるさい!」 「あっ、ご、ごめん…。  で、でも…生放送だし…  愛花だって、新汰くん好きでしょ?」 「それと、これとは話が別だから!  私は、受験生なの!  分かってるでしょ?」 「はっ、はい…。 なるべく…静かに観ます…。」 私には二つ下の妹がいる。 愛花(まなか)は中学三年生で、受験生だ。 まさに、今受験勉強の真っ最中だった。 だけど、私は好きなアイドルに夢中で、 愛花の事を考えていなかった。 愛花は怒って、自分の部屋に入って行った。 (また、怒らせてしまったか…。 でも…コレだけは譲れないんだよね…。) 私の名前は、迫田 茉莉花(さこた まりか) アイドルオタクです。         
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