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さて、串が届くまでしばらく時間がかかる。俺は水をすすりながら、店内を眺めた。
ざっと見たところ、古くからやっている店のようだ。
壁際に串の値段が書かれた紙が貼られているが、いずれも焼き鳥の煙のせいか、黄ばんでいた。柱にも長年のシミが見て取れる。
古くからやっている、ということは味は確かだろう。正面を向くと、店長らしいハチマキを巻いた爺さんが、真剣な顔をして手元を動かしている。
カウンター越しで見えないが、その下には炭火に焼かれた、焼き鳥の姿があるのだろう。
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