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あかりんやみのりんと無言で見つめ合い、自分たちの服装を見て気後れした。雑誌に載ってるようなおしゃれな服を着こなしているゆきりん、かたや普通にコンビニに行くような格好の私たち。
ひと通りみんなの気が済んで解放されたゆきりんは、私たちの元へやってきた。
「みんな変わってないね。ほんと懐かしい」
笑顔のゆきりんに、心の中で『変わったのはゆきりんだよ』とつっこんだ。
駅から徒歩二分で居酒屋に着いた。ぞろぞろと予約してある個室にみんなで移動した。一息ついたのも束の間、中学生の時には見向きもしなかった男どもが、揃いも揃ってゆきりんに興味津々だ。
「幸村、彼氏いないの?」
「えー、いないいない」
両手を胸の前で小さく横に振って、ゆきりんは笑顔を振りまく。
「えー、そんなに綺麗なのに、もったいない」
「じゃあ、この再会を機に、この中の誰かと付き合う……なんてことも、なきにしもあらず、だよな?」
「何言ってんの! 幸村さんだって選ぶ権利あるよねー?」
人だかりの中で、別世界の人となったゆきりんに近寄ることもできず、残された私たち三人は高みの見物状態だった。
しばらくしてトイレに行った時、男子トイレから話し声が聞こえてきた。
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