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「幸村やべえな。すっげえ美人になってびっくりしたよ」
「いい意味で化けたよな。中学の時なんておデブキャラだったのに、面影微塵もねぇ」
せせら笑う男子たちが不快だった。結局見た目しか興味ないんだな。中学の時は見向きもしなかったくせに。
トイレを出たら、話を聞かれていたことを知らない山根たちとかち合わせた。
「秦野、幸村と仲良かったよね。あいつの連絡先教えてよ」
いい感じに酔っているのか、そんなに話したこともなかったのになれなれしい。
「本人に聞いたらいいんじゃない?」
面倒なことに巻き込まれたくない。私はそのまま席に戻ろうとした。
「なんだよー、使えねえなぁ。同窓のよしみだろぉ」
しつこく絡んでくる山根を「まあまあ」となだめた堀口は「ごめんな、こいつ酔ってんの」と、千鳥足の彼を連れていった。
「さっき、山根がゆきりんの連絡先教えてって言ってきた」
気持ちがスッキリしない私は、そのモヤモヤを二人にぶつけた。
「うわ、なんでまりりんに聞くの? 本人に聞けばいいのに」
「でしょ! 私もそう言ったよ」
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