化けたトモダチ

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 連絡がきたのは、ついこの間だ。テーブルの上でスマホが振動して、懐かしい名前が表示された。  ――幸村千紗(ゆきむらちさ)。ゆきりんだ。  突然の着信に何事かと思えば、それぞれが連絡のつく元クラスメイトに、同窓会のことを伝えているとかなんとか。連絡ついた人だけでも集まれたらいいね、ぐらいの緩めの会らしい。 「じゃあね。また同窓会で」 「うん、連絡ありがと」  電話を切った後、思いもよらない人からの着信に気持ちがどこか浮ついている。中学卒業した後は高校も別だったし、自然と疎遠になっていたから、耳なじみのあるその声が私は嬉しかった。  ゆきりんの話だと、仲良かった四人グループのみんな来るって言うし、私もみんなに会いたくてこの日を楽しみにしていた。  地元の駅のコンソースで再会を果たした顔ぶれは、私の記憶を一気に中学生へと引き戻した。 「え、まりりん! 変わらないねー!」  懐かしいメンバーに、懐かしいニックネーム。私は秦野真凛(はたのまりん)で「まりりん」。そして目の前にいるのが、赤松伶菜(あかまつれな)「あかりん」、一色実莉(いっしきみのり)「みのりん」だ。  アニメや恋バナに、キャーキャーとはしゃいでいたあの頃の思い出が、アルバムをめくるかのように次々と溢れた。
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