戦地

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〈コワイヨ〉 ノノ子の怯えが伝わってくる。 「大丈夫だ。必ず帰る。おまえも私を守っておくれ」 〈ウン。木ノカゲニカクレテ〉 私は日本では見たことのない大きな木の陰に身を潜めた。 〈ネムッテ。木トイッショニナルノ。キノコニ化ケルノ〉 「分かった」 私は目を閉じた。ノノ子が、何やら木に話しかけている。私を受け入れるよう頼んでいる。木は、私を受け入れてくれた。 私はキノコと化し、戦場に隠れた。
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