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「この紙をあげるから書いてあるコースを走るんだ。時間は決まってはいるが、今日は松沢のペースで走ればいい。戻ってくるまで先生は門のところにいるからな」
「分かりました」
私はコースが書いてある紙を持ったまま走るがその場で立ち止まる。
(どうしよう……道が知らない)
『どのコースなんだ?』
先輩は横からコースの道を見て一言つぶやいた。
『俺、このコース走ったことあるぞ』
「えっ、ほんとのに⁉︎」
『あぁ、だから走るぞ、ついてこい光桜!』
「う、うん!」
私はただ先輩から離れないようについていくのに必死だった。
「ちょっと……先輩、走るの早くない?」
『いや、早くはないと思うけど?』
先輩はニヤッと笑いながら私の方を見ながら走っている。
『なに、もう、体力不足か?』
「まだ、大丈夫だし!」
『そうか、なら少しピードアップでもするか』
(まだ、早く走れるの⁉︎)
先輩は軽々とスピードを出して浮いたまま走っていく。思わず、思ったことを口にした。
「先輩って体力がある透明人間なの?」
すると私の言った言葉が聞こえちゃったのか先輩は私のところまで戻ってきた。
『光桜、何か言ったか?』
「ううん、なにも」
「そうか」
(透明人間ってもしかして耳がいいの⁉︎それだった今後悪口を言うのやめておかないと)
息切れしながらも頑張って走る。途中で歩いたりもしたがその時は先輩が励ましてくれて、なんとか学校に戻ってくることができた。
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