2人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
『もしかしてキミ、俺のことが視えるのか?』
(ど、どうしよう⁉︎ 今ここで視えないって言えばいいの?それともこの場から逃げる?)
ひとり頭の中で考えてもいい答えが見つからない。するとひとりで必死に悩んでいる私にまた声をかけてきた。
『あのさ、俺の声聞こえてるよね?』
「あ、はいっ!はっきりと聞こえてます!」
(いやぁ〜!思いっきり返事をしちゃったよ!!)
なんで私、透明人間が視えるの⁉︎
しかも宙に浮いてるし、普通に話が聞こえて会話ができちゃうのよぉ!!
(待って、私以外にも人がいて透明人間が視えるかも⁉︎)
辺りをキョロキョロと見渡しても私以外誰一人いない。
私は勇気を持って挨拶をした。
「は、初めまして、透明人間さん?」
すると、透明人間から言葉が返ってきた。
『初めまして、人間さん』
「あっ、やっぱり会話ができちゃう感じ?」
透明人間は腕を組んで話しかけてくる。
『おい、心の声が漏れてるぞ』
私はしまった!と思い咄嗟に両手で口元を隠す。
『今更、口元を隠したって遅いぞ。 ほら、帽子』
私は帽子を受け取ってもう一度お礼を言った。
最初のコメントを投稿しよう!