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「ありがとうございます」
お礼を言ったもののなぜか無言の状態が続く。
「…………」
『…………』
これ以上このまま黙ってるのが嫌で光桜は話を切り出す。
「初めまして、私の名前は松沢光桜(まつさわみお)十七歳です。透明人間さんのお名前は?」
『俺の名前は椙崎葵翔(すぎさきあおと)十八歳』
「改めてよろしくお願いします先輩」
『どうして俺を先輩と呼ぶんだ?』
透明人間の男性が着てる服に見覚えがあった。私は先輩の着てる制服に指を差す。
「私も先輩と同じ高校の生徒だからです」
『へぇーそれじゃ、俺と光桜は先輩と後輩ってわけか。
それと、俺とは敬語なしでもいいぞ』
先輩が私のことを名前を呼んでドキッとしたが思わず笑い声が出た。
「えへへっ、じゃ、お言葉に甘えてよろしくね、先輩!」
『えヘヘっじゃねぇよ。それで光桜、学校はどうした?』
いきなり先輩から学校のことを聞かれて言葉が詰まる。
「その……学校には行ってない」
『いじめか?』
先輩の言葉に光桜は首を横に振った。
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