2人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
『じゃ、不登校か? 』
私は黙って頷く。
「先月、お父さんの転勤でこの街に引っ越してきたの。それで、転校してきた学校のクラスの子達と馴染めなくて、学校へ行けてない」
『そうなのか。でも、聞ける時に学校へ行った方がいいぞ。なんなら俺が一緒に行ってやろうか?』
揶揄われるように言われて私はすぐに断った。
「それは嫌!」
『おい、即答かよ』
「だって、学校で視えない誰かと話してる……とかなんて言われたくない!」
絶対に変な人だと思われて悪い噂が流れるに違いない。
「私だって好きで不登校になったわけじゃない」
『でも、行きたい気持ちはある……ねぇ』
光桜は芝生の上に膝を抱えて座る。
小さいため息を吐くと先輩は何か思い出したように提案をしてきた。
『明日って、金曜日だよな?』
「えっ、そうだけど」
『明日、学校に来いよ。俺も明日学校に行く』
私は先輩をジーッと睨む。
「今日、先輩はどうしてここへ?」
『…………』
「言わないってことは先輩もズル休み?」
『ズル休みでも無いけど……ったく、なんでも言ってろ』
先輩は拗ねたように芝生の上に寝転んだ。
最初のコメントを投稿しよう!