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「化粧ってなんで化けるって入ってくるんだろ」鏡を見ながら友人が言う。
「確かに」と言いながら粧の字の意味を調べる私。「化粧のしょうの方だけでよそおうとかめかすとかの意味があるらしいよ」
「じゃあマジで化粧って化けるって意味を含んでるわけ?それってひどくない?」鏡から目を離し、顔をあげてこちらを見る。
私たちは化けている。化粧をして生きている。化粧をして、それらしい自分になって生きている。
こうやって言っていると確かに化粧と化けることは近いのかもしれない。けれど化けるという言葉の持つイメージがよくないから、私たちはそのまま受け入れることができない。それに、化粧は化けるという言葉ほど何でもできるわけではないから。
私たちは化粧で自分を定義して、その自分を保つために化粧をする。私たちはこれが必要なことだと知っている。
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