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何度か話して分かったのは「彼が私の通う学校の近くの学校に通っている」という事。部活動は「運動部」という事。私よりも「年下」という事。
そして「彼女はいない」という事。
正直、お互いの事を何でも知っているという訳じゃない。それどころかまだ話す様になって一年も経っていない。
でも、気になると思うのは……いいじゃないか。
「くぅーん?」
「どうしました?」
不思議そうな顔で私を見る一人と一匹……。
「……」
う、かわいい――。
なんて言っている場合じゃない。今日、私は一大決心をしたのだ。こんな可愛い顔を見てしまうと一瞬忘れちゃいそうになったけど。
「?」
強面で周囲の人に避けられちゃうけど、実は可愛いモノが大好きな彼に私は……。
「あ、あの! じ、実は――!」
会った時から胸にずっと秘めていた思いを伝えると、彼は「先に言われちゃいましたね」とまた可愛らしく照れながら笑て「こちらこそ喜んで」と言う。
「よ、よかったぁ……」
その答えに私は安心から泣いてしまい、そんな私をリクは「くぅーん」と泣きながら心配してオロオロと私の周りを歩き回っていたのだった――。
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