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ここは、どこだ。一面には炎が広がっている。一対何が起きたんだ。俺はどうしてここに。というかここはどこだ。虚ろな意識の中、周囲を確認する。火の手がだいぶ回っていて原型が崩れつつあるが、ここはどこかの施設の廊下らしかった。施設……?そうだ、思い出した。ここには仕事で来たのだ。確か違法な研究をしている可能性がある施設の調査をしろとかなんとか。それで仲間達とともにここに……。そうだ。仲間はどこか。次第に動くようになってきた身体で少し咳き込んでからよろよろと立ち上がり、次第に鮮明になってきた視界で近くにいるはずの仲間を探した。流石にここまで燃えていればここらにはいないか。ならば移動して仲間と合流せねば。そう思って足を動かそうとした。が、なぜか足元が重りがかかっているかのように異常に重い。嫌な感じがして恐る恐る足元をみると人間の死体が複数横たわっていた。見るとそれは今探さんとしていた仲間達だった。くらりと意識が遠退くような感覚がした。が、俺もここで死ぬわけにはいかない。ここから抜け出して、この惨状を、この不可解な火災を本部に伝えなければ。
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