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「なにがいかんのじゃ。アイツは生きとる方が迷惑やったんやぞ。さっさと片付けたほうが世のため人のためっちゅうもんや」 「せめてリリのおふくろさんの居場所を聞いてからにして欲しかった」 「ほら。お前の本音ソレやん。殺すのがあかんのやのうて、自分の都合やん」 「ああそうやね。日永田が殺されてもどうでちゃよかばってん、こっちの予定狂いっぱなしやん。あーもー本当やおいかんばい。あーもーどうしよー」  恭平は天を仰いで空いた手で目を塞ぐ。 「で? どないするん?」 「どうするもこうするも……」  指の隙間から龍吾を見て、ふと閃いた。 「龍吾さん、釘、釘崎さん? って知っとお?」 「まあ、知り合いに釘崎ってのはおるけど」 「釘崎さんと日永田の知り合いで、日永田繋がりのAV会社に連れていかれた女ってわかるやろか?」 「ワシは知らんけど釘崎に聞いてみりゃわかるかもな」 「瀬戸光恵って知らんか訊いてくれんやろか?」 「なんでワシが」 「カマ掘ったのこれでチャラにするけん」 「ちゃっかりしとるのォ」  龍吾は懐から携帯電話を出して電話をかけ始めた。
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