7人が本棚に入れています
本棚に追加
梨々は天啓を受けたようにコレだと思った。ここに行こう。そう決めた。もう一度表を見ると、住所と電話番号が記されていた。福岡県福岡市中央区。梨々は唖然とした。電話番号は携帯電話のものだったが、梨々は持っていないし、家に電話もない。ここは一応、東京二十三区内だ。今からどうやって福岡県に行けるというのだろうか。
梨々は壁にかけてある時計を見た。夕方の六時。八時になればマキムラがやってくる。もうヤニ臭い口を押し付けられたり、肌を吸われ、変なペニスで中を抉られるのも、もう嫌だった。督促のハガキも電話も受けたくなかった。お腹も空いていて、ゆっくり腐敗していくような薄ら寒い気持ちでいるのも嫌だった。
最初のコメントを投稿しよう!