うつらうつら考える

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うつらうつら考える

助手席の窓から見える外の景色は漆黒の闇。 目の前のライトの明かりが途絶える先も短く、時折切り替えられるハイビームの光が景色を反転させる。 魔女の事を考えた。 掲示板の内容では1000年以上生きているとか。 今までどんな人生を送って来たのだろう。 ヒバゴンと名乗る男の行動は魔女の了承を得ているのだろうか? 今まで隠れて生きて来たのだろうにどうして表に出てこようとしているのだろうか? それにこの時世にヒバゴンと言うペンネームが怪しい。 今から行く先は比婆山麓にある熊野神社だ。 比婆と言えば私たちの親の世代ではヒバゴンが有名だと課長が豪語していた。 だが今時の若者はヒバゴンと言う名称すら知らない。と言う事は課長と同年代かそれ以上の年齢の人物なのだろうか? ・・・想像ではダメだ。 それに会ってみれば分かる事だ。 ── 「美咲さん起きてください。七塚原SAに着きましたよ。朝ご飯食べるのでしょ」 「ああ、たべるたべる・・・・・・」 「ちょっと、起きてくださいよ!」
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