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居酒屋再び
「そもそもね、みんな勝手なんですよ!!」
場末の居酒屋に移動してカウンターに陣取ると、ハチは焼酎を片手に語りだした。
「いや今回、確かに僕にも非があったことは認めますよ。でも久しぶりの下界でちょっとテンション上がっちゃったっていうかね。そういふうことってあるでしょう?」
「まぁなぁ。お前さん、前回のポチから数えて約350年ぶりの転生だったもんなぁ」
「そうなんですよ。ちょっとくらい大目に見てくれてもいいと思うんですよね。若気の至りってやつじゃないですか!」
「一体何をやらかしたってんだい?」
「ちょっとやんちゃしちゃったなって言う自覚はあるんです」
「何がそんなに気がかりなんだよ。今回は報われたんだろ? お前さんの名声は天界にまでよく聞こえてきてたし、犬だてらに立派な葬儀まで上げてもらって、凱旋かってくらい派手に昇天してきたんだろ?」
「そんなの僕が望んだんじゃないですし! 人間が勝手にやったことですし!」
「どうしたどうした? 生前に銅像まで立てられた人気者が人間不信かい?」
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