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天界にて
「よぉ、ハチ! 久しぶりだなぁ。今世はどうだった?」
昇天してきた魂の列に見知った顔を見つけたパトラッシュは、思わず声をかけた。
「あっ、パトラッシュさん! ご無沙汰してます」
ハチと呼ばれた白い犬は列から外れてパトラッシュへと駆け寄ってきた。
「今回は無事、天寿を全うしたってな。良かったじゃねぇか!」
「ええまぁ、そうなんですけどね」
「浮かねぇ顔しちまって。下界に心残りでもあるのかい?」
「いやぁ、心残りと言うか……」
「なんだよ、また何か問題でもあったのかい?」
煮えきらないハチを見て、パトラッシュは首をひねる。
ハチはオズオズと申し出た。
「パトラッシュさん、また僕の話を聞いてくれますか?」
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