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iv.三輪鴉
カラスが鳴く。
カラスには自分と同じ名なのが理由か親近感が少しだけ湧く。
時計には、
[18:15 11月13日月曜日]
と。
2ヶ月カレンダーは今日の日付に赤く丸が。
日めくりカレンダーには、
「今日学校行く!」
と。
行けなかったよ。
今日は何度寝しただろうか。
憶測では6位だろう。
起きてから部屋でずうっとゲームをしていた。
起きたと言っても12時は軽く過ぎていた。
母が書いてくれたのに。
妹だって。
「うん。私は行けるようになって欲しい。」
「きっと行ける」
って言ってくれたのに。
久しぶりにカーテンを開ける。
窓も次いでに開ける。
外にいる小さい子供たちは、
涼しそうな格好でサッカーをしている。
バドミントンをしている子も居る。
そう言う子がいっぱい居る。
高校生と中学生らしき子もいる。
1人、立ち尽くしていた人がいた。
女子高生か?
色々喧嘩の様な声がして1人帰り。
今度は3人帰った。
何が起きたらこうなるのかは知らないが、
立ち尽くしている彼女の心境がまるで見えるようだった。
「裏切られた」と言っているかのように。
そういやそろそろ受験の勉強をしてもいい頃合だな。
高校は何高校にしようとか。
中1の時はきっと何か思ってたんだろうな。
もうどうでもよくなってしまったな。
英検のテキスト、もう使わないな。
中3~高1までのハイレベルドリルも、
もうただの紙。
久しぶりに開いた。
落書きの跡で埋められている。
ふふっと僕は笑みを漏らした。
収納していた所から空の楽譜を取り出す。
今の僕なりの落書きをここに書く。
そんな思いを固め、いま鉛筆を動かす。
パソコンを起動し、電子ピアノと繋げる。
そうやって僕なりの曲が生み出される。
まだ。まだ。まだ。
社会不適合者にはなれない。
そう少しづつ闘志を自分なりに燃やしてみた。
夕日の日差しが僕のメンタルを燃やす今日を、
少しでも明るく思えるよう生きる努力をしたい。
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