発端

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「岸野先輩、終わらないかなあ」 「‥‥あ、今なら大丈夫かな。耳栓取った」 「岸野先輩」 水野の声で岸野先輩が振り返った。 「あれ、もう皆終わり?ごめん集中してた。 由貴もいつの間に」 「葵、お疲れ。油谷くんに話があるんだろ? これから水野さんとうちに来てくれるって」 「ホント?2人ともありがとう。急いで 片付けるから待ってて」 「俺たちも片付けます」 慌ただしく3人が帰り支度を整えている間、 川瀬先輩はカバンからペットボトルのお茶を 取り出し、ゆっくり飲み始めた。 そんな些細な仕草もかっこいいなと思った。
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