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1-1. 刷り込み
王女と側近の出会い、それはここ白海城でのことだ。
あの日は国中が光に包まれた神秘的な日だった。
幻想的な青白い光……精霊による祝福の光である。白海城の北東に広がる聖地『ラルクス』ではこの日、国中の精霊たちが集まり白海の後継者となる赤ん坊の誕生を祝った。
この光は白海の星力――人々の力の源でもある。光は国中に届き、誰もがその恩恵を受けたという。
首都では高らかに鐘が鳴らされ、めでたい知らせが響き渡った。
「王女のご誕生です!!!」
国中の期待と祝福を一身に背負って生まれたのは、ロイヤルブルーの瞳が印象的な女の赤ん坊だった。
国王ラレイルと王妃リザエラの間に生まれた王女はトーランスと名づけられ、トアという愛称で国中の民から親しまれることになる。
真っ白なくりくりの髪の毛に大きな青い瞳。白い肌にほんのりピンク色のほっぺたのトアは、まさに天使のような愛らしさだ。彼女の姿を見た人は誰もがその可愛らしさを褒め称え、時を忘れるほどに見入り、頬を緩めた。
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