変化がもたらす現実

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 久しぶりに母と電話をしてそんな話をすると、意外な反応が返ってきた。 「そりゃ、急に変わったら何かあると思われれても仕方ないわよ」  と言うのだった。なにも急に変わったわけではない。一年かけて、ゆっくりとちゃんとダイエットをしたのだ。 「お母さんにはなかなか会ってないし、ダイエットの話もしてなかったから分からないだろうけど、急なんかじゃないわよ」  とだから少し強めに言葉を発してしまった。母は気分を害したようだったが、てきとうに話を済ませて電話を切ってしまった。  義母は、あなたの人生なんだから周りのことなんて気にしなくていいのよ、と言ってくれたのに実母がこれではどちらが理解があるか分からない。少なくとも、心遣いをしてくれる義母の方がずっと私には良い相談相手のようだ。  人というのはつくづく分からないものだなと思いながら、それでも軽くなった体重と健康な体を手にした私は、どうしても気分がいいのだった。今はジムは退会して、その代わり思い立ったときに家の近くをランニングするようになった。べつにジムじゃなくてもやればできるものだ。健康のためには運動は続けた方がいい。  ダイエットが進んでいく中で、まさか考えもしなかったのだが夫とのレスは解消された。女としての喜びを久しぶりに思い出して、それがこんなにも幸福なことだったのだということを私はすっかり忘れていたのに驚いていた。まだ私たちは夫婦だったのだな、と思ったら年甲斐もなくにやけてしまうのだった。
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