ヴィーク・アルレイドとの出会い、甘い申し込み

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アルレイド公爵家の客間に通された私は、緊張しながらアルレイド公爵家当主を待っていた。 「婚約破棄された後にフィオール家を出たいなど、どうやって伝えれば良いの・・・」 私はつい一人でそう呟いてしまった。 しかし驚いたことに客間に現れたのは当主ではなく、アルレイド公爵家長男のヴィーク・アルレイド様であった。 ヴィーク様は私と同い年であり、話したことはないが学園では同級生である。 「ティアナ嬢、すまない。父はしばらく領地に仕事へ出かけていてね。私が代わりに用件を伺っても良いだろうか?」 「いえ、こちらこそお時間を作って下さりありがとう御座います。えっと・・・」 上手く言葉が出てこない。 怪しまれずに力を貸して欲しいと言うことは出来るのだろうか? 「ティアナ嬢?」 「申し訳ありません・・・どう伝えれば良いのか、分からなくて・・・」 私のその言葉を聞いたヴィーク様は、しばらく何かを考え込んだ後、微笑んだ。 「ティアナ嬢、手を出してくれるかな?」 「え・・・」 私は困惑しながらも、ヴィーク様に手を差し伸べた。
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