193人が本棚に入れています
本棚に追加
「ロイド様・・・」
私は何故か涙が溢れそうになるのを、何とか堪える。
ロイド様が私を離し、私の頬に手を当てる。
「君は私の婚約者だ」
ロイド様の顔が私に近づく。
私は怖くなり、目を瞑ってしまう。
しかし、ロイド様は私と寸前まで顔を近づけたところで止まる。
私がそっと目を開けると、ロイド様は苦しそうな顔で私を見つめていた。
「ティアナ、どうか私を愛していると言ってくれ」
ロイド様はそう仰ると、私の頬に口づけをした。
「愛しているよ、ティアナ」
そう仰って、ロイド様はテラスを出ていかれる。
私の頬には、涙が一粒こぼれ落ちた。
リアーナの入学は、もう目前まで迫っていた。
最初のコメントを投稿しよう!