プロローグ

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プロローグ

「ロイド様、今回も愛しては下さらないのですね」 「聖女」と呼ばれている私の妹リアーナ・フィオールの能力は、「モノの時間を戻せる」というもの。 姉の私ティアナ・フィオールには、何の能力もない・・・そう皆に思われている。 しかし、実際は違う。 私の能力は、「自身の記憶を保持したまま、世界の時間を戻せる」。 つまり、過去にのみタイムリープ出来るのだ。 そのことを誰も知らぬまま、私は何度も第一王子ロイド・エルホルムとの婚約破棄を繰り返している。 馬鹿で愚かな私は、18歳の婚約破棄の度に時を戻している。 どうしたら、ロイド様の愛を得られるのか。 ただそれだけを考えながら。 始めは、一年前の17歳に。 経った一年、時を戻せばロイド様の愛を得られると思っていた。 しかし、残酷なことにロイド様はまた私に婚約破棄を言い渡した。
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