【真宮幸樹】

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俺と梨佳は自分達の部屋へと戻って、栄養補助食品の封を切る。何個も何個も腹を満たす為に貪り喰った。俺は生きている……まだ生きられる……空腹が満たされてくると、殺人鬼の事が脳裏に過った。木村を殺したのは俺じゃない……梨佳でもない……やっぱり、あの鬼の面を付けた殺人鬼なのか?……どんどん人が死んでいる……本当に次は俺達かもしれない……部屋の扉を俺は睨みつけていた。眠れない。 次の日の早朝、木村の姿が無いと他の奴らが騒ぎ出す。いち早く外に出るのは疑われる危険がある……俺と梨佳は平然とした態度で民家の中を捜すふりをしていた。 すると、外から聞こえる遠藤の彼女の叫び声。ようやく気づいたんだ……そう感じた俺と梨佳は外へと向かった。勿論、そこには木村の遺体。誰もが驚いて声を出していたが、落ち着くと視線はリュック。その中に栄養補助食品が無い事に気づいた奴らは、皆の部屋を確認しようと言い出しやがった。物置の奥に隠したが、見つかる可能性はある……遠藤達は自分達の部屋を確認させて、最後、俺達の部屋。俺と梨佳はやばいと感じて止めに入った。だが、遠藤とその彼女が俺達の手に入れた栄養補助食品を見つけ出した。もう無理だ……やるしかない……奪われてたまるか……俺は怒号を上げてナイフを取り出した。
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