【遠藤隼人】

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「でも、何の為に?」 「それは私にも分からないが、私達は今遭難し、この中に殺人者がいるのは否定できない」 俺の問いかけに答える眼鏡をかけた男性。 「……今は犯人を特定する事よりも、命を繋ぐ事が先決。この民家の中に資材や食料が無いか調べよう」 少し沈黙があった後、眼鏡をかけた男性の発言に皆、頷くしかなかった。 それから全員で今いる古民家の中を調べ回ったが、これ以上暖をとる事の出来る資材や食料を発見する事は出来なかった。 「救助は来ると思うけど、もし、救助が来なかった場合、俺達は死んでしまう」 「馬鹿な事を言わないでよ!」 「スキーをしに来ただけなのに、なんでこうなったの!」 俺の発言を耳にした女性ペアは反論や困惑して声を荒げる。
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