【真宮幸樹】

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狂っていやがる……こいつ言うとおりにしなかったら、本当に撃ってくるかもしれない……俺は梨佳と共に分け与えられていた缶詰を全て水谷に差し出した。戦々恐々の中、外は猛吹雪。一日目、二日目と何をする事もなく、ただただ時間を過ごす。食料は無い。空腹を感じて、イライラしてくる……俺は分け与えられていた部屋の壁を蹴るしかなかった。 そんな中、梨佳が水谷に『取り入ってみる』と言い出した。確かにそれしかないかもしれない……このままじゃ飢え死にだ……俺と梨佳は水谷の部屋へ向かった。 銃口を向けてくる水谷。俺と梨佳は水谷に頭を下げて食料を分けてくれるようお願いした。すると、俺達に対して『僕』になるように言ってくる。その意味は、容易に想像がつきそうなものだった。とりあえず、梨佳は水谷の女になれという事だろう……最悪だ……だが、銃を持っている水谷に勝てる筈も無い……空腹だった俺は生きる為に、水谷に従うしかなかった。
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