廃村Ｈ

【真宮幸樹】

空腹に耐える日々が続く中で、梨佳が木村の元へ行き、またお願いしてみると言い出した。お願いしても無理なら自分の身を犠牲にして襲うしかない……殺人鬼を前に、このままじゃ死ぬ……俺は覚悟を決めて、梨佳と一緒に木村の元へ行く事にした。

俺達の向かった先は木村の部屋。しかし、木村の姿は無かった。それに栄養補助食品の入ったリュックも無い。それから民家の中を調べたが、発見出来なかった俺は外も探そうと梨佳に行った。玄関を開けると、降り積もっている雪に足跡を見つける。俺と梨佳はそれを辿った。

はっ？……木村だ……背中に銃痕……死んでいる……というか、リュックもある……俺は梨佳に静かにするよう促し、二人でリュックの元へと歩いた。中を見ると、大量の栄養補助食品がまだ入っている。俺達はその中身を全て奪い取った。