【遠藤隼人】

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視線を運転席に移すとハンドルにうつ伏せ状態で倒れている運転手を発見した。よく見ると背中には刺し傷があり、血が滲み出ている。 「動いていないけど、大丈夫なの?」 「大丈夫な訳ない……誰かに刺されている」 「そんな……死んでいるのか?」 運転席側に集まる乗客達は困惑しながら言い合う。その乗客達を目の前にして、唯が前に出て運転手へと近づいた。 「おい、何をするところだ?」 「俺の彼女は看護師です。皆さん静かに」 不思議がる乗客に対して俺は答えた。 「既に死んでいます」 唯は運転手の首元や手首を触って首を横に振り生死を判断した。
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