【遠藤隼人】

7/16
前へ
/274ページ
次へ
「スマホは繋がらないし、運転手は死んでいる。それにバスは動かない。……これからどうするのよ!?」 「最悪だ。なんで運転手が殺されているんだよ!?」 「一体ここはどこなんだ?」 慌てふためく乗客達は声を荒げたり頭を抱えていた。 「救助が来る筈だ。だが、バスのキーが無い。エンジンのかからないこの中では私達は凍え死ぬ。助けが来るまであの民家に避難しよう。誰かいるかもしれない」 眼鏡をした四十代くらいの男性がそう発言し、路頭に迷う者達は皆賛同した。 各々荷物を持ち、偶然近くにあった古民家へと行き着いた。 「すみません!誰かいませんかー!?」 俺が出した声に返事は返ってこなかった。誰もいない。
/274ページ

最初のコメントを投稿しよう!

119人が本棚に入れています
本棚に追加