【遠藤隼人】

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寒さに凍える者達は、古民家の中へと入り、囲炉裏がある部屋を発見した。廃材である木材は少しある。 「誰か火を点ける物を持っていないか?マッチでもライターでも、何でもいい」 四十代くらいの男性が眼鏡を中指で上げながら皆に問いかける。 「俺は電子タバコでライターを持っていない」 「俺もだ。火をおこす物は持ってねぇ」 男達が言い合う中、俺はライターを差し出した。 「やめてやめてって言っていたけど、隼人が普通のタバコを吸っていて助かったよ」 「これで火を点ける物が無かったら私達は凍死だった。ありがとう」 「本当に良かった。ありがと。早く温まりましょ」 笑顔を見せる唯と礼を言う他の者達。
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