【遠藤隼人】

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すぐさま廃材を燃やし、囲炉裏の中で暖をとった。ゆっくりと温まっていく部屋の中。とりあえず、これで寒さには打ち勝てそうだ。 「バスの運転手には背中に刺し傷があった。外から入り込んだ外部からだとは考えにくい。これは密室の犯行」 そう呟く眼鏡をかけた四十代くらいの男性。 「それって運転手を殺した奴がこの中にいるって事?」 女性ペアの一人が問いかける。 「ああ。殺した奴はこの中にいるだろう」 「確かにその可能性が高いですよね」 眼鏡を中指で持ち上げて話す男性と隼人。このおじさんが言っているのは合っていると思う。でも、何故運転手を殺したんだ?……疑問を抱きながら俺は声を出した。
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