Ⅵ 未来へ ※

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「俺、雅の花も見たかったな」 「……見ただろう?」 「あれは、夢でだもん。まさか、雅がマーガレットみたいな可愛い花を咲かせるなんて」 「……俺は性格が可愛いんだよ」  玲がくすくす笑うと雅は口を尖らせた。両手は忙しく、愛しい恋人の服を脱がせにかかる。たくさんの花を咲かせた玲の体は、今も色が白い。花現病患者の咲かせる花の成分は、人の血液の成分とよく似ている。その後遺症なのか、完治後も貧血が出やすいと言われているので、雅の心配は尽きなかった。  雅も花現病発症者ではあるが、玲に比べて症状は軽かった。患った期間なのか、本人の体質なのかはわからない。ただ、玲がいなくなってから、彼を思うたびに小さな可愛らしい花が手や胸から現れた。ふわりと舞い落ちる花はまるで、玲の笑顔のようだと胸が締めつけられた。 「玲、知ってる? マーガレットの花言葉」  「えっ? ……あ、雅! もう、そこ、だめだって!」 「心に秘めた愛、だよ。俺にぴったりでしょ」 「ンッ! あっ!」 「ほらもう、ツンって立ち上がってる。こんなに大きくしちゃって可愛い」  指先ではじいた乳首を口に含めば、可愛い声が上がる。ぷっくりと膨らんだ乳首は、丹念に愛撫して育てたものだ。雅は、玲の感じるところは全て知り尽くしている。玲の体が回復してから少しずつ少しずつ、長い時間をかけて可愛がり、体を繋げてきた。 「ばかぁ! 雅なんかっ! あっあ」 「ああ、ごめんね。乳首だけじゃ嫌だったね」  雅は玲の胸から鎖骨、そして喉にゆっくりと舌を這わせる。雅の舌が肌に触れれば、玲はあっという間に蕩けていく。とっくに勃ちあがっている玲の陰茎を下着から取り出して、雅は優しくこすり、べろりと舌で舐め上げた。鈴口から染み出ている雫を啜り、ちゅぽんと自分の口の中に含む。 「ひ! ああんっ」     ちゅぱちゅぱとアイスキャンデーのように舐め上げれば、あっという間に白濁が口の中に吐き出される。雅は当たり前のようにそれをごくりと飲み込んだ。 「ああ、もう堪え性のないところも本当に可愛いね、玲」  玲は真っ赤になって唇を噛んでいる。ちゅっと唇にキスをすれば潤んだ瞳を向けてきた。雅の下半身がずんと疼く。雅に股を開かされ、胸をのけぞらせて感じている玲はひどく煽情的だと思う。    昨夜も抱いて、体のあちこちに赤い花びらのような痕がついている。花現病の患者を救いたいと思う雅だが、愛する者の体には、幾つも花を連想させる痕をつけてしまう。 「相当、業が深い気がするなあ」 「……みやびぃ」  自分の名を甘く呼ぶ恋人が、雅は愛おしくて仕方がない。身につけていた下着を脱ぎ捨てて、玲をぎゅっと抱きしめる。早く玲と繋がりたくて堪らなかった。玲の太腿から白い尻に幾つもキスをして、中指の先を後孔に入れた。
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