狂った祝祭

10/29
前へ
/29ページ
次へ
 たくとさんは、自室で、首を吊っていたのだ。 急いでロープを解いたが、時すでに遅く、息絶えていた。 「まだ、たくとがやったという証拠はあがっていない。無実を証明する機会はあったし、リーダーの役を降りると宣言していない。首を吊らなくても良かったのに、どうして……」  まといさんは、その場に、泣き崩れる。  「自責の念に駆られたんでしょう。残念です」  「あんたたちがこの村にやって来て、たくとが殺人犯だとか言うからよっ! 全てあんたたちが悪いんだっ!」  「待って下さい。俺たちは、取材に来ただけです。それなのに、そんな事をいわれる筋合いがどこにあるというんですか?」  「あずまさんの言う通りだ。たくとは自殺する前に遺書をしたためているようだ」  むらせさんは、たくとさんが自殺する前に記した遺書に目を通す。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加