狂った祝祭

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 「怖くないんですか? 訳あり物件ですよ」  「怖いって何がです? せっかくですから、この村の訳ありそうな住宅、全て取り壊して新築立ててあげましょう」  いくら村の人間を動かす権利を持ったリーダーとはいえ。村の訳あり物件を全て撤去するなんてやり過ぎだ。 「住人がいない家、全部やるのは流石に年寄りにキツイ」「でもあずまさんは、村の為にやってくれているんだ協力しよう」村人たちは池の掃除や畑の開墾で疲れているにも関わらず、重たい腰を上げた。  「あの、皆さんお疲れだと思うので休憩しませんか?」  「そうですよ。俺一人だけでも出来るところまでやっておきます」  あずまさんは、そう言って古い分けあり物件に入っていき、勝手に解体を初めてしまう。  「なるほど、ここで乱闘騒ぎになり、殺したんですね。それで遺体は、シミからみるとあの位置に。随分と派手にやっでますね」  ガチャガチャと音を立てながら、家具や家の壁を破壊しているようだ。この家で何が起きたのか見抜いたように、家屋の中を荒らしていく。私は怖くて玄関から先に進めないが、あずまさんの声から判断した。  「これは酷いな、ゴミ屋敷だ。いっそ火をつけちゃいましょう」  「そんな事をしたら、村が全部燃えてしまいます」  「そうですね。ここには警察も消防署も来れないでしょう。放火とか殺人があったとしても」
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