狂った祝祭

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 「二人とも、これ以上ケンカすると折角の酒がまずくなる。その辺にしておけ」「今日はあずまさんのリーダー就任祝いだ」「そうだ、あずまさんときょうさんに村の伝統文化を披露して差し上げようっ!」  村人たちが杉沢あずまとまといさんのケンカを仲裁すると「これ以上、あなたと話すと気分が優れません」と踵を返す。 その後、村の人たちは私たちを取り囲んで、村に古くから伝わる踊りと歌を披露してくれた。 「わろすはまっぱにしてごせよ♪  ばろすもすっぱにしてごせよ♪ やばすはこっぱにしてごせよ♪ やいてにてむしたら、くっころがしてちょい♪ やいてにてむしたら、くっころがしてちょい♪ やいてにてむしたら、かちゃっぱかぶせてぶっぱにしてごせ♪  ちいちいかまちょの、ちいかまちょ♪ ちいちいかまちょのちいかまちょ♪」 この村特有の方言だろうか、聞き慣れないフレーズのオンパレードだが、警戒なリズムに合わせて村の人たちが踊っている。  「どういう歌詞なんでしょうね」  「恐らく、わろす、ばろす、やばすは悪人で、まっぱ、すっぱ、こっぱは撃退するという意味だと思います。くっころがしては恐らく処刑か何かで、最後のちいちいかまちょはよくわかりませんけど、まあ悪者を撃退して村を守ろうという歌詞なんだと思います」  「なるほど、この村らしい歌ですね。あ、お酒頂きますっ!」 「さあさ、おきゃくさまには、めしうま、さけうま、おもちせよ。くっちゃねくっちゃねぱぱんぱん、ずっぽしばっぽしぱぱんぱんっ! ずっぽしばっぽしぱぱんぱん!」 村人たちは踊り歌いながら、台所へ向かい、お酒や料理を持って来てくれた。
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