狂った祝祭

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 「わろすはまっぱにしてごせよ♪ ばろすもすっぱにしてごせよ♪ やばすもこっぱにしてごせよ♪ やいてにてむしたら、くっころがしてちょい♪ やいてにてむしたら、くっころがしてちょい♪ ちいちいかまちょ、ちいかまちょ♪」  酒の席で聞いた村の歌を口ずさみながら、やぶきりおにが近付いて来る。  「さて、殺人犯を好きになる心理は時として戦国武将を好きになる理由と似ているもんだ。どちらも多かれ少なかれ人を殺している。生きた時代と理由と相手が違うだけだ。そして人殺しの血は現在の俺たちに引き継がれている。あんたもな、きょうさん」  「わ、私も人殺しの血を引いているというの」  「この村の人たちもそうだ。たくとの遺書が自分たちは殺人鬼の末裔だという事を証明しているだろう」  「そ、そうかもしれないけど、それとこれとは話が違う」  「どうかな。デスゲーム小説は読者の悪を浮き彫りにするんだ。読んでたら、次は誰が殺されるんだって期待するだろう。架空であれ他人の死で多幸感を感じているんだ。まあ語り手がどうやっても生き残るのは予定調和だが」  「というか、空気読んで下さい。殺人鬼が迫って来ているんですよっ!」  「わかってる。だけど不思議と、怖くないんだよ」  至近距離に迫って来たやぶきりおにの腕を、掴みかかると、杉沢あずまはやぶきりおにと格闘を始める。
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