20人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺、呪われてんのかなぁ……」
俺は至って普通の高校生だ。
自分で言うのはあれだが……特別カッコイイわけでも、可愛いわけでもない。だというのに、男にはモテる。
それに反し、女の子には全くと言っていいほど、モテない。彼女いない歴=年齢である。
ここまで来ると、もう何かに呪われているとしか思えない。
俺が一体、何をしたっていうんだ!
「なあ、何でだと思う?」
休み時間。目の前の席に座る、俺の唯一の親友に聞いてみた。
「んーそうだなぁ……何か一つ挙げるなら、その曙色──東雲色とも言われる、お前の瞳と髪の色、かな?」
珍しくて、綺麗な色だよな。
そう俺の前で笑顔を見せるのは、幼稚園の頃からの幼馴染みである、仲村光一(なかむらこういち)──俺が唯一、男で気を許している相手だ。
「何だよ、その難しい名前……オレンジ色でいいだろ?」
「橙色っていっても、色々あるだろう?」
「確かに、赤色っぽいのから黄色っぽいのまであるわけだけどさぁ~……やっぱ、その名前は難しくね?」
「僕は和風な名称で、好きだけどなぁ~」
「それに比べて……光一の髪は、黒寄りの茶色だよなー。ありきたりな色で羨ましいよ」
「ははっ、それはどうも。誉め言葉として受け取っておくよ」
……こんな風に、他愛もない話しが出来るのも、親友という関係だからこそだ。
男にモテて、女の子には全くモテない俺の、貴重な男友達。
ちなみに光一も俺と同じく、男に興味は無い。というか、今は恋愛よりも勉強の方が楽しいらしい。
そう言える余裕は、ほんの少~し、女の子にモテるから来るものなのか……くっ、悔しくなんか、ないんだからな!?
最初のコメントを投稿しよう!