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【優二視点】本編・第3話「放課後・その1」~入学式の日に出会ったあいつ~【秋人×優二+光一】
「待って、優二!」
それは放課後。光一と帰ろうとしていた俺を、呼び止めた声。
まあまあ可愛い顔をした、栗色の癖毛っぽい短髪の奴を見て、俺は溜息を吐く。
「またお前か……」
そいつは、あの日──入学式が終わった後。
俺に一方的な告白をしてきた男、南明人(みなみあきひと)だった。
「優二と話しをしたいんだけど……少しでいいから!」
「俺は、お前と話すことはない!」
「そんな冷たいこと言うなって、優二。話しくらい、してやればいいじゃないか。僕は先に帰るからさ」
「あっ、ちょ、光一!?」
一緒に帰るはずだった光一は、そう言って俺を置いて、さっさとひとりで先に帰っていってしまった。
俺たち、親友なのに……冷たいのは、どっちだよ!
「えっと……ボクと話し、してくれる?」
「……あー、はいはい。手短になー」
やった!と小さくガッツポーズをする男。
ああ……これが女の子なら、たぶん可愛いと思えるだろうになぁ。
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