休憩

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「原稿に行き詰まりましたか? ええと、気分転換にお菓子を――……」 「あぁ、違うの、違うの」  彼女はそう笑って答える。それでもどこか疲れた様子で、そしてどこか話を聞いてほしそうな様子で椅子にもたれ十月を見た。 「この前、高校の友達に会いに行ったの。何年かぶりだったんだけどね。彼女が結婚してから音信不通だったんだ。それで会った時、離婚してたのが発覚したの」  十月は相づちをうちながら、式野の為にストックのお菓子を幾つかとりだした。雇用主は疲れているだろうから、チョコレートを多めに皿にのせる。  それを確認し、今度は珈琲の準備にとりかかる。ここので仕事を始めてはや数ヶ月、雇用主の珈琲に関する好みは把握したはずだ。
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