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2021.4.3
今日の私の夢に出てきたのは、初恋の○○だった。
夢の世界線は、「糖尿病の人を助けるために犠牲になる人がいる」世界線だった。
その世界には、糖尿病の人を助けるために犠牲者を出す世界だった。
私はその少数の犠牲者になっていた。
(どうして、私が犠牲者に……)
この時の私は不安でたまらなかった。
私の初恋の○○は、この世界の仕組みを知っているような雰囲気だった。
ある日、
『君に話したいことがある』
と、私は○○に呼ばれて2人きりになった。
2人きりになるまでの記憶はなくて、着いた先は芝居の上だった。
『ごめん、ちょっとだけ後ろ向いて、背中出して』
そう言われて、私は頷き後ろを向いて背中を出した。
その時、
ジリッ!
『あつっ!』
一瞬、背中に何かが当たり火傷したような痛みがはしった。
背中を見ると、焼印が小さくあった。
(これは……一体……?)
○○は、なぜか分からないが私の背中に焼印を入れた。
その理由が糖尿病を助けるために必要なのらしい……。
後に、その焼印の理由について知ることとなった。
『…え?今なんて…』
『僕は糖尿病の人を助ける生贄になるらしいんだ…』
○○は衝撃の言葉を私にかけた。
『どうして、なんで…』
『僕も今朝その事を聞かされたんだ…だから最後に君に会って伝えようと思ってさ!あははっ…』
そう言って○○は笑った。
『どうして、笑っていられるの?ねぇ、どうして!嫌!絶対に嫌!○○を失うくらいなら私が生贄を変わるから!お願い、考え直して!』
確かに人を救うことはとても凄いことだとは思った。
でも、私自身が大切な人を失うのはとても嫌だった。
『どうして、あなたは自分自身を犠牲にするの…私は○○がいない世界なんて生きてたって何にもないわ…○○はどうして生贄を受け入れたの?』
涙目になりながら、○○に何回も問いただした。
すると、
『…僕が生贄になる事で君を守れると思ったからかな』
(…え)
私は○○の言葉に疑問を抱いた。
『守れる?どういう事…?』
『あの日、僕が君に付けた焼印は付けた者の大切な人であるという印なんだ。焼印を付けられたものは生贄になることは無いんだ…』
『大切な人…?じゃあ、私も○○に焼印を入れるわ!ね?だから…』
そう言うと、○○は首を横に振った。
『どうして!』
『焼印を付けられた者は生贄になる事は無い…でも、その代わり、焼印を付けた者はその人の身代わりとして自分が生贄にならなければならないんだ…無論、付けた者は焼印を付けてもらうことが出来ないんだ…』
『そんな…じゃあどうして!私を…○○ッ!』
ハッ!
「…夢?」
私はその夢の途中で目が覚めた。
それ以来、その夢の続きを見ることは無かった。
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