魔法士見習いたち

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マイのことを思い出して隣りを見れば、リッドも真剣な顔でガネーシャの話を聞いていた。 リッドは転生人がマイの体に入る瞬間から、元の世界へ帰るところまでを目にしている。 実際には意識体である転生人は目には見えない。それでもマイの変化を通して見ていたリッドには、他の見習いの子たちよりはずっと理解ができただろう。 他の子たちはまだ半信半疑のようで、中にはふざけて実は自分が転生人だと言って笑いを取ろうとする子までいた。 ガネーシャは時折魔法で幻影を見せつつ、転生人の説明を続けた。それが、ガネーシャが転生人について研究をしていたという女王陛下の言葉を証明していた。 ただ、最初の転生人の召喚について触れられることはなかった。それはやっぱり秘密なのか、後々の講義で語られるのかは分からないけれど。 わたしは講義が終わるのを待ち、ガネーシャの元へ走った。 「ガネーシャ」 わたしが何かを言う前に、鋭いひと睨みがわたしの足を止めた。 ここでは先生と生徒、そういう線引きをしろ、ということだ。 「先生」 抱きしめようと伸ばした両手を脇に下ろし、お辞儀をすると、ガネーシャは満足そうにうなずいた。 「元気そうだね、アン」 「はい、先生も」 「聞きたいことがあるのは分かるが、今は忙しい。後で使いを送ろう」 「分かりました」 そんな短い会話の中で、ガネーシャがいつになく焦っているのを感じた。 ここに来たことにも何か理由があるに違いない。今すぐ問い詰めたいところだけれど、ガネーシャはロウンを呼んでついてくるように言うと、足早に講堂を出て行った。 「驚いたね、ガネーシャ先生が来てくださるなんて」 ハルジオンは嬉しそうにガネーシャの背中を見送っている。 「学校って初めてだけど、……楽しい」 リッドもそうつぶやいて、同じようにガネーシャの出て行ったドアの方を見ていた。 辺りを見回してみれば、同じように興奮した感じで今の授業について話す子たちの声が聞こえてくる。 そんな中で、ひとりだけうつむいたまま動かない人がいた。わたしとリッドにイタズラを仕掛けた女の子のチューターだった。
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