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いや、一卵性の双子という可能性も捨てきれないが。
しかし本当にコマキさんだとすれば、急に都合が悪くなってお見合いが延期になったのも頷ける。
「それでは、うちの娘をよろしくお願いいたします」
「こちらこそ、よろしくお願いいたします」
笑顔を貼り付けて聞かれたことにだけ答えているうちに、お見合いは成立していた。
まあもっとも、私に拒否権なんてないんだけれど。
「すみません、少々凛音さんをお借りしても?
これからの相談をしたいものですから」
「ああ、そうですね。
いいよな、凛音?」
「はい」
父から聞かれて、承知した。
私だって炯さんとふたりきりになって、聞きたいことがある。
「じゃあ、行きましょうか」
「はい」
促されて一緒に部屋を出る。
「ラウンジのカフェでいいか」
「はい」
反対する理由もないので、頷いて一緒にエレベーターに乗る。
回数表示を見つめながら炯さんは無言だ。
私も黙って立っていた。
ラウンジではすぐに席へ案内された。
彼はコーヒーを、私はグレープフルーツジュースを注文する。
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