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康介の中でガヨンへの猜疑心が増幅していることは間違いない。あの場にいたガヨン、へジョン、そしてチャンヒョクにもよく分かることだった。
部屋に戻った康介は寝台に転がり、まだ上がっている息を整えるのに必死だった。遅れてチャンヒョクが追いかけ、それから寝台のそばにある椅子に腰掛けた。窓の外で雨が騒がしい。
「いっそ、全部ぶちまけたら?」
チャンヒョクがぼそりと提案した。康介は壁を向いていて、彼の表情が見えない。回転椅子をくるくる回しながら、康介の返事を待った。
「何をするのか分からない」
康介は消えそうな声で答えた。
「鍵はお前が持ってるだろ。
侵入なんか出来ない。」
気休めに言ってやったが、今度は康介が体ごと彼に向けた。
「普通の鍵だぞ。
針金と知識があれば、あの鍵は開けられる…!」
まだ興奮しているのか、瞳孔が開いていた。
「待て待て。
お前とガヨンの間で
何が起きたのか分からないんだよ。」
「分かるだろ…!
アイツは俺の爆弾に興味を持ってる」
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